昇和

目の前にあるひとつの石に心を映そうと考えた
頭がまだそれを考えているうち、手は石を削り始めた
頭が悩んでも手は止めないでおいた

まずは石を立たせた
次に安定させるために三つ脚にした
ここまでで立ち上がって自立した
個として存在する時に正面はどこだろう
左右は対照がよいだろう

気づくと手が合わさった カタチになっていた
驚いた

集中しようとする時に、僕は手を合わせる
心を映そうと集中していた僕の心は
見事にここに映っていた

Showa

I was thinking to try to express the mind of one stone in front of the eye.
Hand began to cut the stone out that it is still considered the head.
Hand continued to move is also suffering from head.

First of all, I was standing a stone.
Next, the three legs to stabilize.
Independent stand up so far.
Is this the front ?
The control left and right would be better.

It has the form and hand combined notice.
I was surprised.
I fit the hand when trying to concentrate.
My heart had been trying to express the mind and concentration, was beautifully reflected here.


腕、頬、おしり
こどもが持つ曲線は
無垢で純白、無邪気を思わせる

この石に映そうとしたのは、ありのままの心ではない
心の中の、いい気持ちだけを抽出して映したかった
その結果、こどものような曲線が現れた
僕が映そうとした「いい気持ち」は、
こどものような部分だったのかもしれない
無垢で純白、無邪気

1作目 イタリア産大理石
2作目 札幌軟石
2012年4月、まだ深い雪が残る美唄アルテピアッツァ
「心を彫る授業」ここで、僕は初めて石を削りました。
イタリア産の大理石でした。

これまで、身近にある素材として木を削ってきました。
イタリアはずいぶん遠いなと引っかかっていた頃、
今住んでいる所が札幌軟石の産地だったことを知りました。
札幌軟石であれば、間違いなく身近な素材と言えました。
石を削り始めた僕にとって、これはうれしい偶然でした。
近所の石材屋さんを訪ね、採石場で札幌軟石を手に入れました。


手を合わせたカタチをつくろうとする時
どういうカタチが美しいのか
この作品は、それを考えながらつくりました。




流木や河原の石は、川の流れにぶつかってカタチを変えて行きます。
どちらも、身を削っていますが心地よい曲線を得ています。
木も石も水も自然の一部であり、希望としては僕もそこに並びたいのです。
僕はヒトなので、意思を持っています。
木や石や水と並ぶためには、そこが一番の難点です。
今回この作品で、その課題ともっと深く向き合いたく初めて石を削ってみました。
意思を持ちながら自然の一部としてここに身を置き、それらと関わり合いながら自身がどう変われるか。
木を削り石を削り作品が完成する度、僕自身も完成に近づいていると思っています。
この作品は原点環帰の中のひと作品です。